正しいラジオ体操

【ラジオ体操第1の正しいやり方】④胸を反らす運動【イラスト図解説付き!】筋肉解剖学

たった3分!誰でもできる最強エクササイズ「【ラジオ体操第一】④胸を反らす運動」を解剖学と運動学の視点から分析し、「うまくできない時の軽減方法」「効果を高めるためのコツ」「上級者向けアレンジ」などを提案します。

【ラジオ体操】は3分で終わる最強エクササイズ!

「なにか運動しないと!」と思ったらまず選択肢に入れて欲しいのが【ラジオ体操第1】!

わかりやすいシンプルな体操の組み合わせで老若男女誰でもできるように作られている体操なので軽い運動効果しかないと思っている人も多いのですが、【ラジオ体操】を正しく理解して丁寧に実践すれば、たった3分でも全身をバランスよく整える美容健康効果に優れた最強エクササイズになります。

「ダイエットやボディメイクをしたいけれど何から始めたらよいかわからない」「運動を始めたいけど難しいのは続かない」など身体の悩みがあるけれどどんな運動がいいかわからない場合は、まず「ラジオ体操」を極めてみることをオススメします!

ラジオ体操まとめ記事はこちら!

【④胸を反らす運動】ラジオ体操の正しいやり方と解剖学

ラジオ体操第一の4番目やるエクササイズは、【胸を反らす運動】です。

「正しい姿勢をつくり呼吸器官の働きを促進」ことが目的で、公式サイトには以下のような効果があると記載されています。

  • 呼吸機能アップ
  • 正しい姿勢づくり
  • 血行促進
【公式サイトより引用】

重要な運動要素

「【ラジオ体操第一】④胸を反らす運動」でポイントになるのは、姿勢のキーとなる胸椎と胸郭の動きを意識して、連動した腕(肩関節)の運動と呼吸ができるかどうかです。

重要な運動目的
胸椎を含む胸郭の運動を意識する
(背骨の運動と呼吸)
姿勢改善
呼吸を深める
全身の循環改善

他の椎骨に比べて制限要素が多く動きを意識しにくい「胸椎」の動きに柔軟性を高めること、首(頸椎)や腰(腰椎)への負担が減って良い姿勢を維持しやすくなり、呼吸も自然と深まります。

その結果、神経伝達や血流もスムースになるので多くの現代人が悩んでいる肩こり、腰痛、首こり、眼精疲労、なんとなくだるい、疲れが抜けない、自律神経失調症状、肌荒れ、ホルモンバランスの乱れなどの症状を根本から予防改善する効果が期待できます。

更に、この体操を正しく行って胸椎から背骨を整えることを意識できるようになると、良い姿勢を保持しやすくなり、肩や首の余計な力が抜けて肩こりや腕の上がりにくさ(四十肩や五十肩など)も軽減していきます。

基本姿勢(スタートポジション)

「【ラジオ体操第一】④胸を反らす運動」の準備姿勢(スタートポジション)は、「【ラジオ体操第一】①伸びの運動」で整えた背骨と骨盤をニュートラルの良い姿勢を維持したまま、腕を胸の前で組み(肩関節水平内転)、脚を大きく横に開いた(股関節外転)状態です。

ターゲットとなる胸(胸郭)の広がりをしっかりと感じられるように、下半身をしっかり安定させて上半身をリラックスさせましょう。

一番基本の姿勢から確認!

運動方向と可動域

「【ラジオ体操第一】④胸を反らす運動」のやり方やコツについて公式サイトでは以下のように記載されています。

  • (左脚を横に開き)腕を横に振る
  • 息を吸いながら腕を斜め上に上げ胸を反らせる
  • 息を吐きながら腕を振り下ろす
【公式サイトより引用】

正しく効果を実感するためにはターゲットをしっかりと意識する必要がありますが、「【ラジオ体操第一】④胸を反らす運動」では、【呼吸(胸郭と腹腔の筋肉運動)】【胸反らし(胸椎運動)】【肩関節(肩甲骨含む)運動】の3つになります。

パーツ運動方向
呼吸(胸郭と腹腔の筋肉運動)拡大(吸気)
収縮(吐気)
胸反らし(胸椎運動)伸展⇄屈曲
肩関節(肩甲骨含む)運動水平内転
外転 + 伸展
内転+ 屈曲

「ラジオ体操効果を高めるコツ」と「よくある間違いの対処法」

「【ラジオ体操第一】④胸を反らす運動」は、要素となる解剖学構造や運動学、それぞれの相乗効果を意識することで効果を最大限高められます。

運動要素効果を高めるコツ
背骨反らす胸を開く意識で胸椎から反らす
腕の運動肩甲骨と一緒に腕を動かす意識を持つ
呼吸胸を開くことで呼吸を深める

また、お手本通りの姿勢を作ろうとするよりも、その姿勢や動作をする目的を優先し、必要に応じて姿勢や運動方向の調整や軽減をしましょう。

首や腰ではなく胸椎を反らす

猫背や不良姿勢が定着している現代人は、胸椎の動きが硬い人が多く、動かし方がわからなくなってしまっている人がたくさんいます。

この体操は、胸郭の柔軟性を向上させて姿勢を改善しつつ呼吸を深める効果のある運動ですが、胸椎の動きが硬くなってしまっていたり胸椎から背骨を意識的に動かす感覚がない場合、もともと前弯していて解剖学構造的に後ろに反りやすい腰椎(腰)や頸椎(首)の反りで代償してしまい、逆に腰や首を痛めてしまう原因になることもあります。

胸椎や肩甲骨周りの筋肉をしっかりとほぐして準備し、最初は小さな動きでもいいので、首や腰ではなく胸椎から反らせて胸を張る意識をしっかり覚えましょう。

首や腰は胸椎に連動してわずかに動きますが、意識して動かすのは胸椎のみなので、一生懸命腰を反って身体を痛めないようにしてください。

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腕を動かす時は「肩甲骨」の動きも意識

肩関節は人体の中でも一番可動範囲が大きく関わる筋肉の数も多いため、姿勢や目線、筋肉の緊張状態によっても可動域が変わってきます。

また、上腕骨(腕)の動きに肩甲骨と鎖骨が連動(肩甲上腕リズム)するので、肩甲骨の動きも意識して肩関節を動かすことで肩周りがよりほぐれて肩関節の可動域が上がりますし、胸も開いて呼吸も深くなります。

肩周りの筋肉が硬いと腕が上がりにくく、腕をあげようとして腰を反る代償動作が出てしまいがちです。

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胸を開いて呼吸を深める

呼吸はインナーマッスルを意識的に鍛えることができる筋トレであり、呼吸を筋肉運動として意識するだけで姿勢改善や代謝を高めるダイエット効果があります。

スマホやパソコンの長時間使用で猫背姿勢になりがちな現代人は浅い呼吸が慢性化しているので、胸郭や腹腔を意識的に動かして呼吸を深めるだけでも心身がスッキリして体調が整うのを実感できます。

胸(胸椎)を反らせて深い呼吸を行うこの運動メニューでは、胸椎から姿勢を整える意識に加えて呼吸への意識を高める練習としてとても効果的なので、正しい姿勢で気持ちよく胸の広がりを感じながら大きく息を吸いましょう。

吸い込んだ息は全部吐ききることを意識し、慣れてきたら腹横筋や横隔膜などインナーユニットの収縮弛緩を意識して更に呼吸を深めていきましょう。

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