イライラ・対人関係の問題・不安感・欲求不満…現代は「ストレス社会」と言われ多くの人が精神的・肉体的ストレスを感じ、ストレスは他人や周りの環境によって与えられるやっかいものだと考えていますが、ストレスは自分の身体を守るために自分が発生させている反応です。
ストレスに対する正しい知識を持つことやストレスに対する耐性を高める身体作りを普段から心がけることで毎日の生活の質を大幅に改善できますので、ストレス社会を賢く生きる方法を一緒に考えましょう。
「ストレス」とは何?
「ストレス」とは、外部刺激に対して身体が起こす反応のことで、ストレス反応を起こす元となる外部からの刺激を「ストレッサー」といいます。
用語 | 定義 |
---|---|
ストレッサー | 一般的に「ストレス」と呼ばれる外部から刺激 |
ストレス | ストレッサーに対して身体が行う対処反応 |
私たちが日常会話内で使う「ストレス」とは、「ストレッサー」のことです。
「ストレス反応」はなぜ起こる?
外から加わる刺激によって本来のバランスが崩れると生命としての機能維持が難しくなるため、人間には恒常性と呼ばれる常に一定の状態を保つようにする働きが備わっています。
私たちが普段意識しなくても、心臓や消化器官などの生命維持機能が維持できるのは、外部の変化(ストレッサー)に反応して、常に最適な状態を維持するように「自律神経」が「交感神経」と「副交感神経」を切り替えながら休むことなく働いてくれるからです。
時間帯 | 交感神経の働き |
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昼 (意識的な活動がメインの時間帯) | 交感神経優位 |
夜や食後 (意識的な活動後の休息) | 副交感神経優位 |
例えば、インフルエンザウィルスが体内に侵入した時には高熱が出ますが、これは、体温を上昇させてインフルエンザウィルスを殺そうとする「ストレス反応」です。
つまり、自律神経の作用により、自分の身体の不調を自分で直そうとする力が「ストレス反応」です。
現代人を悩ませる「ストレッサー」とは?
「ストレス」という言葉からは、パワハラとか人間関係問題など精神的なことの方が連想しやすいと思いますが、現代の生活様式では「肉体的なストレッサー」も増えています。
押さえておいて欲しいポイントは、あなたが「嫌だ」とか「不快」だとか主観的にネガティブに感じていることだけが「ストレッサー」なのではなく、近くしていなくても身体にとって異常な状態を作る外部要素は全て「ストレッサー」です。
ひと昔前の「ストレッサー」は、飢餓、特殊な細菌やウィルスなどの感染症の原因が主でしたが、現代の急速な生活様式の変化においてストレッサーの種類も多様化していて、そのほとんどが生活習慣によるものです。
- 不規則な生活・運動不足・食生活の乱れ
- 解熱剤や石油系のサプリメントなどの摂取
- 不自然な姿勢での活動
- 対人関係や仕事のプレシャーなど
- 承認欲求が満たされない
不規則な生活
昼夜逆転、不規則な生活習慣、電気をつけたまま眠る、夜中でも忙しく夜更かしが当たり前で慢性的な睡眠不足、だらだらした生活、運動不足などは、身体にとっては大きなストレッサーになります。
ストレッサーが不規則に連続すると、自律神経の切り替えが追いつかなくなり心身のバランスが崩れてしまいます。
解熱剤や石油系のサプリメントなどの摂取
「薬」は病気を治療する為に必要なものですが、身体にとっては異物で相当なストレスが発生するかなり破壊力のある「ストレッサー」です。
これは健康のためにと熱心に飲んでいるサプリメントでも同じで、根本的な意識改革が必要です。
日本は、世界的にも批難を受ける程の薬物乱用国として有名で、ちょっと熱が出れば「解熱剤」、 ちょっと痛みがでれば「湿布薬」、医者に行くとまず処方される「抗生物質」、気軽にどこでも買える健康増進効果を打ち出したサプリメントやビタミン剤も種類が豊富。
抗生物質は農薬や食品添加物としても使われていますし、サプリメントなども素材をしっかり見極めなければ実は不要な薬物の宝庫だったりもしますので、知らず知らずのうちに健康の為にと摂取していて、実はストレッサーになっているものがたくさんあることを理解しましょう。
不自然な姿勢での活動
現代はこれまでの人間の歴史になかった不自然な環境があり、身体にとっては大きなストレッサーになっています。
例えば、パソコンでの作業は人体の構造的に不自然な前傾姿勢を長時間続けることになるので、身体にかかる負担、つまり身体的ストレッサーはとても大きいものです。
スマホに夢中の毎日でも頸部に不自然な姿勢を強いますし、視点を近い部分に集め続けるのは眼の筋肉や頸部~肩の筋肉の過緊張をはじめ全身的に影響するストレッサーになります。
通勤時に電車で吊革につかまり長時間揺られることも、これまでの人類の歴史上なかった新しいタイプの姿勢で身体的ストレッサーとしてはかなり大きいものです。
対人関係や仕事のプレシャーなど
これも現代特に強くなっている「精神的ストレス」の代名詞です。
例えば、学校や会社など私たちが所属する組織や集団には入れ替わりはあり、特に新しい環境に入る新人さんは多大なストレスを感じ、医学的に治療が必要になるケースも出てきてしまいます。
職場環境が変われば、朝起きる時間、通勤経路、トイレの場所、普段あいさつする人、苦手な人、好きな人、癒される人、食事やカフェの場所などあらゆるものが変わりますが、たとえ、どれかひとつであってもそれなりのストレスを感じるのに、いくつもの変化が一度に降りかかれば、いくら健康な人でもストレッサーを処理仕切れず体調を崩してしまっても不思議ではありません。
特に転職・転勤などの職場の変更、学生から新社会人、実家暮らしから一人暮らしなどが大きな変化で体調を崩してしまう人が多いのは、対処すべきストレッサーが一時的に増えすぎることが原因です。
また、病院でよく見られる高齢者のせん妄も環境変化のストレッサーに対応できずに起こる問題のひとつで、自宅→病院という環境の変化によるストレッサーに対応できずに脳がパニックになることが原因です。
このパニック(せん妄)は一時的であり、多くは環境を戻す(=退院して家に帰る)ことで改善します。
承認欲求が満たされない
過度に細分化され早いスピードで進化し続ける現代では、役割や日々の生活で自己承認欲求が満たされないことも大きなストレスになっています。
マザー・テレサも「この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。だれからも自分は必要とされていない、と感じることです」と言っているくらい「誰かから必要とされている」と感じられることは人間の本質的な欲求です。
思う通りに仕事が認められない、好きな人に思いが伝わらない、自分の存在意義がわからない、そんな風に考えている時にも身体は大きなストレスを感じています。
季節の変わり目
気温や外部の環境が大きく変わる季節の変わり目に体調を崩しやすいのもストレッサーが増えることが原因です。
人間の体は外の気温などに関わらず常に一定の状態を保つことで正常な状態を維持しているので、外側からのストレスの種類や量が変わるとその変化に対応がうまくいかない場合にも、身体もパニックになって体調不良として現れる場合もあります。
さらに季節の変わり目は新学期や部署の移動などの季節でもあるので、いつもと違うストレッサーを大量に処理しなければならなくなるため、体調不良になりやすいのです。
ストレス反応で対応しきれなければ病気になる
現代はこれまでの時代にはなかった様々な「ストレッサー」が私たち周りにあり、またその数や量も膨大になってきて「ストレス反応」だけでは限界がきてしまうことが多くなってきました。
「ストレス反応で」処理できる限界を超えたストレスが積み重なった時に、身体のバランスが崩れ、「病気」として症状が現れてきますが、これはあなたの身体が自分が処理できる以上の仕事を抱えてしまっているからです。
例えば、あなたの仕事が毎日100枚の日本語の書類を整理することだとしましょう。
1日かけてその仕事を完了するのがノルマで、完了できなければその分は翌日に繰り越しになりますが、今のあなたは大分その仕事に慣れ毎日特に問題なく完了することができています。
それが、ある日突然、日本語ではなく全く理解できないアラビア語の書類も100枚追加で整理することになりました。
さて、あなたはどうなるでしょう?
枚数が100枚増えて更に書類の内容をアラビア語で理解するというこれまで経験したことのないとても大変な仕事がプラスされるので一気に仕事量が増えますし、元々の仕事にまで手が回らなくなる可能性が高くなります。
本来人間の身体というのは常に一定の状態を保つようにできているので、ストレッサーが加わった時は身体をもとの状態に戻すように様々なストレス反応で対処しようとします。
ただ、これまでの方法を変えるには膨大な時間とエネルギーが必要で、変えることができたとしても変えた状態を継続して慣れるまでにはさらに相当の時間とエネルギーが必要です。
つまり、人間が処理できるストレッサーには限度があるので、外側からの影響(ストレッサー)が増えれば増えるほど、大きければ大きいほど、その対応にエネルギーが使われてしまい、今までできていた体の中の仕事がおろそかになってしまい疲労や体調不良として出てきやすくなります。
ストレッサーに対応してストレス反応を制御する自律神経ですが、自律神経が過負荷で正常に働かなくなると、まず血流などの循環障害が起こり、低体温、血液の酸化(いわゆるドロドロ血液)、そして、倦怠感や疲労感、肩こりなど慢性疲労や慢性疼痛に悩まされるようになります。
この状態は、常に心筋梗塞や脳血管疾患ガンや糖尿病などのリスクと隣り合わせで、どんどん若年化してきている傾向があり、10代でリスクを抱えている人もいます。
更に、自律神経の乱れは現代病の代表格であるアトピー・花粉症・各種アレルギー疾患に大きく影響を与えています。
アレルギーは特定の物質を身体にとって危険な物と誤認する免疫が過剰な状態のことで、本来細菌やウィルスなど身体にとって危険なものを排除する為に働いているリンパ球という兵隊さんが、特に身体に害を加えないような一般市民までも敵と判断して殺そうとしているようなイメージで、免疫機能の誤作動のようなものです。
また、「ストレス」が原因でうつ病などの精神疾患を引き起こし、社会生活が困難になる例も増えてきています。
ストレス対処法
ストレス反応は本来人間には必要なもので、上手につきあえば仕事やスポーツのパフォーマンスを上げたり日常生活を活性化させる為のものでもありますが、過剰なストレッサーが積み重さなると確実に身体を蝕みます。
現代の心身の病気の原因にもなり得るストレッサーとストレス反応について正しく理解して、できることから対策していきましょう。
生活空間を断捨離する
「モノがあればあるほど素晴らしい」とされた大量生産大量消費の時代を経て、今「持たない」暮らしがトレンドになり、「断捨離」や「ミニマリスト」「シェア」などという言葉も市民権を経て、「余計なものをもたない暮らし」が良い暮らしという考え方に世の中がへシフトしています。
「断捨離」とはもともとヨガの哲学を応用したもので、以下の3つの要素が含まれます。
- 断行(だんぎょう):要らないもの入手を断つ
- 捨行(しゃぎょう):今持っている不要物を捨てる
- 離行(りぎょう):物への執着から離れる
不要な物を求めず、捨て、そもそも物への執着から離れることで、自分が自分で作り出している重荷からの解放され、身軽で快適な生活と人生を手に入れることが目的と言われています。
物とは必ずしも服や家具など形あるものだけでなく、人間関係や思い込み、SNSなど人生に関わるもの全てが対象になっています。
では実際に「断捨離」にはどんなメリットがあるのでしょうか?
もちろん物理的には、物が減り、身の回りが整理整頓しやすくなり、十分なスペースが生まれるメリットがありますが、「単なる片付け」とは違うより高い次元でのメリットにも注目が集まっています。
- 思考が整理される
- ストレス(ストレッサー)から開放される
- 本当に必要なものがわかるようになる
- 人間関係がよくなる
- お金が貯まりやすくなる
無駄なものに惑わされる時間やお金が無くなり、精神的にも安定し、人間関係も安定しストレスが軽減し、ストレス解消のためにしていたお金の使い方も、無駄なお金の使い方もしなくなり、本当に欲しいものだけに囲まれ、人生が更に良くなっていくというメリットです。
「断捨離」というと何か特別頑張らないといけないことのように感じてしまう人もいると思いますが、「断捨離」はそもそも何千年もの歴史があるヨガの哲学・行を基にした考え方で、心身のコントロールを行い、自分を見つめなおすためのものなので、むしろ物が溢れ、物に執着し、物を溜め込んでしまうほうが異常だと考える方が自然なようにさえ感じます。
実際に、物が多いって本当に効率が悪い!!
まず、保管するのにコストがかかるし、持ち運びにもコストがかかります。
掃除や管理も面倒だから、結果どこに何があるのかわからなくなって存在すら忘れられているものもありますし、部屋がもので溢れていれば、当然人間の活動スペースも、心の余裕も減っていくわけで、本当の意味での豊かなライフスタイルとは程遠くなっていきます。
旅行でもそうです。
移動の際は、荷物が多ければ、飛行機では追加料金を取られる場合もあるし、現地での移動の際も行動が制限されますし、預けるにしてもお金が必要です。
一方、最低限の手荷物ひとつだけでいけば当然追加料金がかからないばかりか、荷物を預けたり、受け取ったりする際の時間も節約できますし、現地での移動もスムースで疲労感も少なく、いろんな事を楽しむ余裕ができます。
今の時代、スマホひとつあればいまや、カメラも通信もスケジュール管理もなんでもできてしまいますので、本当に必要なものなんて自分の身体と小さなバッグに収まる程度で済むはずですし、現地調達もいくらでもできます。
身軽であること、余計なものがないことは、動きやすさ、無駄のなさという点でかなり多くのメリットがありますが、逆に余分なものを持っているというのは本当に損なことばかりなのです。
ここに気づかせてくれる、やました ひでこさん や こんまり(近藤 麻理恵さん)などの【断捨離】の考えで行う【片付け術】に注目が集まり続けるのはとても自然な成り行きだったのだと感じています。
少し話がずれますが、日本食が美味しく健康的であるという認識はもはや世界共通ですが、世界の食文化のどこにも見当たらない日本食独自の視点である「引き算の文化」がポイントです。
どの国の料理を見ても、「加える」ことで独自性・美味しさ・楽しさを演出します(足し算の文化)が、日本食は灰汁を抜いたり余分な部位を取り除き、極限まで洗練させたエッセンスを味わう料理(引き算の文化)が多くあります。
素材を活かすために加えるのではなく雑味や余分を省いているお刺身は一番わかりやすい例ですし、和菓子も何度も灰汁を抜いて洗練させた素材を使い丁寧に練り上げられた餡が主役です。
素材の良さを最大限生かして加えるものは最小限にする「引き算」の視点は、現代の医療や健康管理を取り巻く環境を考えた時とても重要な視点だと考えています。
生活習慣も断捨離する
「断捨離」は私たちの身体のメンテナンスやセルフケアに置き換えても効果的です。
お部屋がきれいになると気持ちもスッキリし、仕事や勉強がはかどるのと同じように、余計なものがない身体はエネルギー循環が良いので健康そのもので、フットワーク軽くなんでも楽しめ、頭の回転も良く、心も穏やかでいられます。
人間の身体や心の機能は非常に良くできた精密機械のようなもので、本来あるべき機能で仕組みが回っている時が一番効率がよく無駄がありませんので、基本的にそのデフォルト機能を邪魔するものがなければ、現代人が悩んでいるほとんどの問題や症状は起こりません。
人は足すことや何か加えることで安心感を得ることができるため、不安を感じると何かを足そうとします。
でも、現代にこれまでになかった生活習慣病やアレルギー疾患が増えているのは、あれもこれもと余計なものを欲しがり、必要以上にいろんなものを身体に溜め込み、余計なものを持ちすぎた結果です。
必要以上のものを所持している身体は非常に効率が悪く、散らかった部屋や余計な仕事に振り回されている状態と同じで、本来やるべき仕事や機能の質を低下させ、本来の機能を制限してしまうので、いろんなリスクを抱えることと同じになり、健康な状態からどんどん遠ざかります。
まさに不要なものに圧迫された断捨離前の部屋の状態のような身体から生活習慣病や心の病が生まれます。
本来あなたの身体はとっても高性能で、あらゆる外敵から身を守り、常に安定した健康状態を自分自身の力で保てるように作られていますが、日常的な過剰に足す行為によって、身体は本来の仕事を適切に行えなくなったり、本来の機能がサボったりするようになり、生活習慣病、自律神経症状、アレルギーなどの現代人を悩ます病気の原因となってしまっている可能性があります。
そして、症状が出た状態で医療機関にかかれば、さらに薬を与えられますが、医薬品に一時的には大きな効果があっても、長期的な視点でみれば身体機能を低下させていきます。
物だけでなく、情報も食料も有り余るほどに増えた現代には、何をするかではなく、何をしないかを考える視点を持つべきです。
- 自分のからだに余計なものを溜め込んでいないか?
- 身体を痛めている余計な生活習慣がないか?
- 本当にその治療や対処が必要なのか?
ちょっと具体的に考えてみましょう。
私たちは毎日何かしらの活動をして生きていますが、それらには必ず時間とお金を使っています。
毎日の食事、歯磨きや洗顔、睡眠だって時間とお金の積み重ねで、それらの積み重ねが今のあなたを作り、将来のあなたを作っていきますので、健康を維持するのも病気になるのも、貧乏になるのもお金持ちになるのも、今のお金と時間の使い方という生活習慣次第です。
つまり、「生活習慣」とは時間とお金の使い方でもあり、「生活習慣」次第で人を病気にすることもできれば貧乏にすることもできます。
病気のほとんどが生活習慣病と言われる現代では、お金と時間の使い方の観点から生活習慣を見つめてみると健康を維持するモチベーションが見えてくるかもしれません。
病気予防が重要だといくら騒いでも、日本は特に医療費が安いこともあり、今の時点で健康な人にはピンと来ないものなので、生活習慣をお金と時間というフィルターで考えると実感が湧きやすいかもしれません。
自分の身体の仕組みを正しく理解しておけば、必然的に自分の身体を痛めて病気を作るような時間やお金の使い方(生活習慣)はしなくなるので、無駄なお金を使わない有意義な人生になります。
例えば健康を害する可能性のある以下のような時間とお金の使い方をやめれば、健康になり、他のより有意義なことに使える時間が増え、お金が貯まります。
健康の不安とお金の不安という、大きなストレッサーは同時に解消し、有意義な時間が生まれるなら最高ですよね!
食べ過ぎ
現代は飽食の時代で、24時間いつでも食べ物が手に入ります。
加工品が溢れ、口に入る食材がどこでどう育ったものなのかまで理解している人はほとんどおらず、忙しい毎日の「ながら食べ」などで自分が何をどれだけ食べているのかわからない人も多く、適切な栄養素を適切に摂取できずに肥満や生活習慣病が問題になっています。
食事は生きている限り必要不可欠な行為なので、毎日ある程度の時間とお金を費やし続ける必要があります。
食事に関しては個人差が大きい生活習慣項目ですが、動物として必要とする栄養素を摂取する以上に食べることに時間がお金を使い、肥満や生活習慣病に悩むのは人間(や人間に飼われている動物)だけであり、すでに様々な研究結果から食べ過ぎが生活習慣病に大きな影響を与えることがわかっている以上、一時的な快楽として食べ過ぎに無駄な時間とお金を使うメリットはありません。
実際に私たちが食べ過ぎにどれだけ無駄なお金を使っているかを調査した肥満大国:アメリカの調査データによると、肥満で悩むアメリカ人は、生涯で258,000ドル(3,000万円位)の金額相当の食べ物を食べ過ぎている(必要ではないのに食べている)そうです。
食べ過ぎによる肥満と生活習慣病はセットなので、肥満になってしまうことで余計に支払わないといけなくなる金額(医療費やダイエット費用など)は、年間2,646ドル〜4,879ドル(30万円〜50万円)になりもなり、肥満による生活習慣病などでは平均寿命も8から10年短くなる損失分も加味すれば、年間6,518ドル〜8,365ドル(70万円〜90万円)ほど損失出している計算になるそうです。
日本人はアメリカ人ほどの食べ過ぎはないですし、社会保証制度も全く異なるので、金額自体は直接的な参考指標にはなりませんが、24時間いつでも食べたい時に食べたいものが食べらる日本でも確実に食べ過ぎの傾向はあって、食べ過ぎは食事に無駄な時間とお金を使い、その結果太ってしまえばダイエットのためのジムやエステ通いに更に時間とお金を余計に使い、その上病気になれば治療にお金と時間を大量に使わなければならなくなる点では同じです。
生涯で3,000万円を食べ過ぎに使いたいですか?
カフェイン
コーラなどの炭酸飲料やコーヒーからカフェインを摂取している人は多い思いますが、【カフェイン中毒になると生涯113,000ドル(約1200万円)以上余計にお金(病気の治療費など)がかかる】としたアメリカのデータがあります。
例えば、毎日コーヒーやコーラに200円(1日1杯程度)使っただけでも単純計算で年間で73,000円ですが、健康を維持できる範囲であれば嗜好品としてそれなりの価値を見出している人もいるかもしれません。
ただ、健康が害するほどカフェインに依存してしまっている場合(カフェイン中毒)、1日では1,000円程度の出費でも年間365,000円で、そのコーヒーやコーラが原因で生活習慣病を引き起こして生涯で更に1,000万円以上余計な医療費などがかかるとしたら、それでも続けたい必要不可欠な習慣ですか?
タバコ
タバコが肺がんや寿命を縮めるリスクを高めることはすでに様々な研究からわかっていますし、タバコを吸う人の保険料なども明らかに高いので、喫煙をすることで無駄に出費する金額は、非喫煙者に比べてかなり高くなることをなんとなく実感している方は多いかもしれません。
2019年から世界中で大流行してパンデミックを引き越したコロナウィルス(Covid-19)でも喫煙者や肺機能に問題がある人が重症化して死亡する例が非常に多く報告されました。
そして、タバコの副流煙はまわりの人も不健康にする可能性があることも忘れてはいけません。
タバコ自体は(かなり税金が高いので)安いものではなく、習慣的に吸うものなので、仮に1日1箱(500円程度)であったとしても、1年で約18万円、5年間で約91万円、10年間で約182万円、30年間で約547万円とかなりの金額になります。
また、喫煙は時間もかなり消費する活動で、タバコを吸う場所を探して一服する時間が1日15〜20分ほどだったとしても、1年で100時間ほどタバコに使って、その結果身体を壊し、副流煙や臭いでまわりに迷惑をかけるだけだとしたら、そこにお金と時間を使い続ける理由は何でしょうか?
タバコは日本の税収でもかなりの金額を占めますが、結局無駄な医療費が増え、不健康な国民が増えたら本末転倒です。
お酒
例えば、家の晩酌でほぼ毎日350mlを飲み(年間約40万円)、外で月に3回飲む(年間約12万円)として、これを60年間続けたら総額は3,000万円を超えます。
お酒はコミュニケーションツールとしても重要な役割があり、適量であれば健康には問題はありませんが、飲酒を積み重ねると結構な金額になることは覚えておくと必要以上には飲まないブレーキになるかもしれません。
コンタクトレンズ
2週間交換ソフトレンズ(1日あたり50円程度)とケア用品を含めて60年間使い続けるとすると、総額200万円ほどになり、毎日ケアや装着にそれなりの時間を使います。
また、適切な使い方をしなければ目の病気や更なる視力低下につながるリスクもあります。
視力の解剖学的構造を理解して、普段から視力が低下しないようにケアしていたら、他のもっと楽しいことに使える時間とお金になっていたはずです。
200万円あればできることはたくさんあります。
薬(サプリメント)依存
現代人は、本来の人間(動物)が自然に摂取できるものではないものを過剰に摂取する機会が増えてきていますが、大量のサプリメントや薬の摂取は、身体が本来持っている機能を低下させてしまいます。
こんな事例があります。
Aさんは、健康のためと毎食後欠かさずビタミン剤を飲んでいました。
仕事が忙しく食事がちゃんととれないし、最近疲れが抜けにくくなったからとういうのが飲み始めたきっかけでした。
ある時、なんだか肌が異常に黄色いことに気がつきます。
ますます疲れやすくなり、体調も優れません。
ビタミンが足りないのかな?
仕事が忙しいからからかな?
さらにビタミン剤を熱心に飲むようになります。そのまま熱心にビタミン剤を飲み続けたAさんは肝硬変になり入院することになってしまいました。
原因は、ビタミン剤の過剰摂取でした。
彼女はビタミン剤を飲むことを完全に止めました。
すると体調はみるみるよくなりました。
その後は食事や生活習慣をしっかり見直すようになり、とても今はとても健康で元気です。
また、人生の大先輩たちのお話を聞いていてものすごく的を射ていると感じたことがありました。
「今は何でもすぐ病気にされて、薬飲まされたり注射したりするから、なんか余計に身体がおかしくなるみたい。」
現代では、科学技術が進歩し、医学研究も進んだ結果、病気の早期発見治療が可能になりましたし、これまではなかった新しい病気も見つけられるようになりました。
ただ、細分化され、医療が科学的に進歩しすぎた結果、これまでは病気とは診断されず、自分自身の本来持っている機能を生かすことで自然治癒できていたような問題も、早期に病気と診断され、投薬などの異物で対処することで、これまでとは違う形の病気や問題を生み、逆に症状を悪化させているケースも多く存在し、そこに疑問を感じる人も増えて来ています。
病院で処方されるお薬が欲しくてお医者さんにいく人も多いと思いますが、気がつけばどんどん薬の種類が増えていて、薬なしでは不安で仕方なくなっているのに症状は良くならなずになんかおかしいな...と思ったことはないですか?
薬局で買えて常用しやすい頭痛薬や湿布薬にも同じように中毒性と恐ろしい副作用があるのでむやみな利用は危険です。
お医者さんで処方される薬は治療という明確な目的があり合法ではありますが、根本的に身体の中で起こっている変化は違法ドラックと一緒で、一時的な快楽(痛みや苦痛の緩和や一時的な症状の抑制)のために使い続けると、どんどんより強い薬をより多く飲まないと効果がなくなり依存せざるを得なくなる可能性を持っています。
また、肩こりとか関節の疲労の際に気軽使ってしまいがちな経皮吸収剤(いわゆる湿布やスーッとする塗るタイプのものなど)や薬局で処方箋なしでも買える頭痛薬などは気軽に常用されやすく、同じように身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
そもそも現代の医学は、基本的に症状に対する対処療法が主流で、「症状が出ている箇所」=「根本的な原因」であればまだいいのですが、現代人の症状は複雑で本人が主症状を訴える場所とは違う場所に根本的な原因がある場合が多々あります。
ですが、基本的に病院医療では症状のある場所しかみないので、治療しているようで、長い目で見ると症状を悪化させていると現実が残念ながら存在します。
薬はどんな種類のものであれ身体にとってはほぼ100%異物ですし、鎮痛や抗炎症などの一時的なプラス効果が強ければ強いほどマイナスの影響(副作用)も強く、怪我や一時的な症状、先天的な機能不全を補うためなどにやむを得ない(使わない方がリスクが大きい)場合に使うもので、使わずに済むならそれに越したことはないものです。
日本は、世界的にも批難を受ける程の薬物乱用国として有名で、ちょっと熱が出れば「解熱剤」、 ちょっと痛みがでれば「湿布薬」、医者に行くとまず処方される「抗生物質」、気軽にどこでも変える健康増進効果を前面に打ち出したサプリメントやビタミン剤も種類が豊富に出回っています。
風邪を引いて熱が上がっている状態は免疫力を高めてウィルスを殺そうを身体が頑張っている状態なので、高齢者や乳幼児など免疫力や抵抗力が極端に低い場合を除いては安易に処方されるべき物ではなくむしろ本末転倒です。
もし、処方する場合も、人間にとってベストな状態である37度前後の体温を保てるように絶妙な処方が必要ですし、風邪薬の処方というのも本来はとても慎重に行われるべきもので何も知らずに、コンビニでも買えるような薬で安易に対処するのは実はとても怖いことなんです。
日本人は真面目ですし、お医者さんの権力がまだまだ過剰に強い日本では、お医者さんのいうことをちゃんと理解できないけどお医者さんの言う通りに薬を一生懸命飲み続ける傾向がありますが、自分が納得できるまで治療や薬に関しては説明を受けて欲しいし、安易に市販薬やサプリメントに手を出さないで欲しいと思います。
特に、現代人の多くが悩んでいる頭痛や慢性的な体調不良、肩こり・腰痛の原因には様々ありますが、そのほとんどは生活習慣に原因を発した骨格の歪みによる神経圧迫や血流障害により起こっています。
「正座」による痛みや痺れと似たようなものです。
その場合は正座をやめて足を伸ばすように、歪みを正すような治療や生活改善を行えばすぐに解消するはずですが、一般の病院医療では患者さんが症状を訴えているのにレントゲン上や所見上特に問題が見られなければ様子見という判断になり、まず痛み止めの注射や薬や湿布薬の処方で終わり、となってしまいます。
当然痛み止めの注射というのは痛みの神経を麻痺させる薬ですから、痛みは一時的に感じなくなりますので「治った!」と勘違いしますが、根本的な原因がそのままで痛みを麻痺させ治っていると勘違いしている訳ですから、根本の原因がそのままであればその症状は確実に悪化していきます。
血流障害や神経圧迫を放置した結果、最終的に行き着くのは麻痺や壊疽です。
一時的に良くなった気になる麻薬でその場をしのいでいるうちに取り返しのつかないことになってしまう可能性があります。
痛み止めは痛みを取る薬ではなく痛みを感じなくさせる感覚神経を麻痺させる薬なので、よほどのことがない限りは極力使用を控えて欲しいと思います。
現代病のほとんどを占める生活習慣病に処方される対処療法薬(高血圧の血圧降下剤など)は本来の身体機能を低下させる薬であり、常用は更なる機能低下や副作用などの悪循環しか生まず(だから薬の種類がどんどん増えたり、より強い薬になったりする)、真面目に薬に依存する人ほど実は身体を蝕んでいる事実も存在します。
本当の意味で身体を改善させるには、根本的に生活を変えて身体を変えていくしかありません。
今もしあなたに辛い症状があるのであれば、
- その原因はどこにあるのか?
- その治療の為に何が必要でどの位の期間で改善が見込めるのか?
- その薬は本当に必要なのか?
- どんな副作用があるのか?
ちゃんとあなたに向き合って説明をしっかりしてくれる人の元で納得して治療を受けて欲しいと思います。
現代の日本の医療は、薬の処方がなければ成り立たない裏事情がありますが、あなたが自分自身の身体に責任をもってお医者さんに質問できるようになればきっと変わっていくと信じています。
そのためにもこのサイトを活用して、まずはあなたがあなたの身体についてお医者さんに適切に説明できる自分の1番目のお医者さんになってください。
注意:現在医師の指導のもとに投薬中の方が自己判断で勝手に服薬をやめたり服用方法を変更すると危険です。
必ず医師に相談してください。
マッサージや整体通い
肩こり、腰痛、首コリや眼精疲労解消にマッサージや整体に通っている人も多いと思いますが、毎月いくら使っていますか?
正しい知識で毎日簡単なコンディショニングをするだけで根本解決できれば、マッサージや整体通いは不要になり、お金と時間が節約できるようになるだけでなく、スタイルもよくなり、健康度やパフォーマンスも向上します。
ストレス耐性を上げる
適度なストレスは人生の質を高めることもありますが、過剰なストレスは心身を崩壊させます。
ストレッサーを完全避けることは難しいかもしれませんが、身体の機能や生活習慣を整えてストレス耐性を高めることは自分の意思で可能です。
対応できるストレスの許容量は決まっている訳ですから、できるだけ規則正しい生活をする、睡眠時間をしっかり取る、姿勢を整える、呼吸に意識を向ける、適度な運動をするなどできる努力をするだけでもストレス反応を減らして他のストレッサーへの耐性を高められます。
お腹がすいていると相手のちょっとした態度でもイライラするけど、美味しいものを食べて睡眠も十分にとれていて直前にいいことがあったらならその後多少のことは許せてしまうというような経験は誰にもあると思いますは、身体を健康で強い状態に保つことでストレス耐性は高められるのです。
ストレス社会、過剰に溢れる情報により、肉体的・精神的にかつてないほどのストレスを感じながら生きている人が多くなっています。
AIやインターネットインフラの普及により身体を動かす機会が減少したり、スマホやパソコンでの不自然な姿勢を長時間続ける生活習慣、大量のサプリメントや薬の摂取などにより、身体が本来持っている機能を発揮する機会が減少し、身体機能がどんどん低下している傾向があります。
今の感情にまっすぐ向き合う
「ストレス」を「ストレス」として感じることができるというのはとてもよいことです。
原因を見つけ、対処する方法を考えられるからです。
「ストレス」を感じたら、まずその感情を持っている自分を「だめだ」とか「もっと頑張らないと」と更なる負の感情を乗せたストレスにするのではなく、まずありのまま受け止めてください。
「大脳辺縁系(主に感情的な部分を司る)」と「前頭前野(主に合理的な判断を司る)」はシーソーのように機能していて、どちらかが強くなるとどちらかが弱くなりますので、感情をできるだけ理論的に分解して考えていくだけでもストレスが緩和されます。
アンガーマネジメントでも「怒りを感じたらまず6秒数えろ」と言われますが、この時間を意識的にとることで、ヒートアップした「大脳辺縁系(主に感情的な部分を司る)」を鎮めて、「前頭前野(主に合理的な判断を司る)」の働きを活性化させやすくする効果があります。
代謝をあげる
「代謝」を高めて健康的にダイエットしたいと考えている人は多いですが、代謝を高めることでストレス耐性や免疫力が上がります。
「代謝」とは古いものがなくなって新しいものが入ってくるという意味なので、効果的に代謝を高める方法も引き算の視点がポイントになります。
「入れる(足す)」と「出す(引く)」はセットなので、どれだけ良いものを入れ続けても、悪いものや不要なものを外へ出すことができなければ溜まるだけで、良いものは有効に使われず、良いものが悪いものへ変質する可能性すらあります。
捨てることができない身体では、どれだけ良いものを入れ続けても、悪いものや不要なものを外へ出すことができなければ溜まるだけで、良いものは有効に使われず、良いものが悪いものへ変質する可能性すらあります。
企業や製品でも、付け足しを増やしていくより無駄を排除していくことで成功した Mac や iPhone の Apple がある一方、古いモノを「捨てる」ことができないために新しいものを受け入れる余裕がなくなり、「代謝」が滞って消えて行く企業が多くあります。
体内において捨てるとは排泄のことなので、身体の負担となる余計なものを体内に入れないようにしつつ、不要なものはすぐに出せる(排泄がスムースにできる)身体を作ることが代謝アップには最も重要な要素です。
栄養の吸収と排泄を行う腸が健康に重要な役割をしているとよく言われる理由もここにあります。
睡眠をしっかり取る
「睡眠」は意識的な活動を停止することで、新陳代謝に集中し、心身の疲労をためないように毎日リセットするための重要な活動です。
睡眠時間をしっかりと確保することもストレス耐性を高めるためにとても重要です。
姿勢を整える
ストレス反応をコントロールする「自律神経」は、脳と直接つながる脊髄から伸びている脊髄神経で、神経ネットワークが正常に働くためには、神経が収まる空間である背骨を軸とする姿勢が整っていることが大前提です。
姿勢が悪い人はストレス耐性が低下しますので、普段から正しい姿勢を意識し、深い呼吸を維持することが大切です。
運動を上手に取り入れる
適度な運動にはストレス解消効果があると言われています。
デスクワークで行き詰まったときはストレッチしたりウォーキングなどの軽い運動をしたくなるように、身体を動かすことで気分をリフレッシュする効果があることを、医学的な知識がなくても私たちは経験から知っています。
身体を意識的に動かすと呼吸が深まって全身の循環が高まるので身体が軽くなり、自律神経のバランスや内臓機能も整いやすくなるので気持ちも落ち着きます。
この観点で言えば、無意識に出てしまう「貧乏ゆすり」もストレス解消のために行っている「運動」のようなものです。
「軽い散歩程度のウォーキング」「凝り固まった筋肉伸ばすストレッチ」「深呼吸(呼吸筋や横隔膜の筋トレ/ストレッチ)」はいつでも誰でもどこでもできるので、是非上手に取り入れて欲しいと思います。
身体の軸を整えて呼吸を深めながら「瞑想」をするヨガもとても効果的です。
どんな運動をする場合でも、正しい解剖学知識を持って取り組むことで、効果を高め、ストレス解消と心身を強く健康にすることで、ストレス耐性を高める効果に大きく貢献します。
呼吸に意識を向ける
深呼吸だけでもストレス解消になりますが、「呼吸」に意識を向けるだけでもストレス耐性を大きく高めることができうます。
代謝をあげたり姿勢を整えるためには筋肉量を増やすことも重要ですが、無理に運動や筋トレなど何かを一生懸命「加えよう」とするよりも効果的な方法が「呼吸」です。
「呼吸」も必ず「吐く」(捨てる)「吸う」(入れる)のセットで、まず吐き出すことができなければ入れることができませんので、まずはしっかり吐くことに意識を向けてみましょう。
更に、「呼吸」の際にコアの筋肉を意識できるようになれば、特別な運動をしなくても全身の循環がよくなって身体の機能がスムースに働くようになり、排泄もスムースになりますし、ボディメイクにもつながります。
ストレスを感じたときの特効薬
ストレスを感じたときは、ため息や笑顔が特効薬になります。
ため息をコントロールする
現代人は呼吸が浅い人が多いのでストレスが溜まりやすい状態です。
そのため水素吸入や酸素カプセルなどで高濃度の水素や酸素を取り込まないとなかなかリラックスしたり、体循環がスムースに行えない人が増えてきていますが、本来人間は自分でリセットしてリラックスするリカバリー機能を持っていて、「ため息」も人間が持っている優れた防御機能のうちのひとつです。
「ため息」はリカバリーショットとして非常に優れていてストレスを感じたときに意識的に「ため息」をつくと、気持ちがリフレッシュできる効果が証明されています。
「落ち込んだ時」「悩んでいる時」「何か嫌な事があった時」などに無意識出るものですし、相手に嫌悪感を示す手段としてわざと大きめにため息を演じる人もいますし、「ため息をすると幸せが逃げる」と言われることもあるので「ため息」にあまりいい印象を持っている人はいません。
でも、ほとんどの場合ため息は無意識のうちに出て、自分が出したため息にハッとして我に帰れたという経験をしたことがある人も多いと思います。
私たちは嫌なことがあったり気分を変えようと思ったときに買い物に行くとか、美味しいものを食べるとか、スポーツをするとかの前に、おそらく背筋を伸ばして深呼吸をするのではないかと思います。
深呼吸をすることで心身ともにリフレッシュできることは、特に医学的な知識がなくても誰もが経験から知っていますし、緊張している人や焦っている人に対して深呼吸するようにアドバイスしたりもしますよね。
ため息が出る原理もこれと同じです。
つまり、過剰なストレスを感じた身体が、その状態から解放されるために強制的に深呼吸させているのがため息です。
ため息が出るときは心身ともに余裕がない状態なので、実は深呼吸どころか十分な呼吸すらできてきませんので、循環が滞り身体機能に悪影響が生じるリスクが生まれるため、危機を感じた身体がため息により深呼吸を強制的にさせ、滞った身体の循環を取り戻そうとしているのです。
呼吸は、吐くことを意識的に行うことが重要で、十分に吐き出すことができれば十分な酸素を体内に取り込むことができます。
「ため息をすると幸せが逃げて行く」といいますが、これは「悩んでもいいことないよ」というマインド的なアドバイスで、人間の身体的機能側面から考えた時のため息は、身体のリスクを回避する防御反応であると同時に、気持ちをリセットするチャンスも与えてくれるので、とても優れたリカバリー装置になり、じつば酸素カプセルや水素吸入へ行くよりも効果的で、かつ無料のリカバリー & リラックス機能です。
もちろんため息が出るほど追い込まれたり、落ち込んだりしないようにできれば一番いいのですが、もしため息がでたのならそれは身体からのSOS信号であると同時にリセットできるチャンスなので、是非うまく活用してほしいと思います。
ため息が出たら、吸う息よりも吐く息に集中してしっかり吐きってから新鮮な空気をたっぷりを吸い込みましょう。
水素吸入や酸素カプセル並みのリラックス効果を実感できると思います。
意識的に笑顔を作る
東京オリンピック2020(2021年開催)で水谷隼と共に日本卓球界史上初の金メダルを獲得した伊藤 美誠選手は、うまくいかないときや強いストレスを強く感じたときに意識的に口角を上げて笑顔を作り、「楽しんで」卓球をすることを意識しているとよく言っています。
テニスの大阪なおみ選手も、試合中に口角を意識的にあげたり、眉間のシワを手でほぐすなどしてメンタルコントロールしています。
人は嬉しいことや楽しいことがあると自然と広角が上がって笑顔になりますが、強いストレスを感じて嫌な気分は口角が下がり、眉間にシワがよりがちです。
辛かったり強いストレスを感じていても、意識的に笑顔を作ることで、脳に今自分が「楽しい」「幸せだ」と勘違いさせる効果があることは様々な脳科学の研究でわかっていて、メンタルコントロールが大きく左右するアスリートも積極的に採用しています。
表情筋を意識すれば、老け顔を予防する顔筋トレーニングにもなります。