たった3分で全身がととのう最強エクササイズ!「【ラジオ体操第二】②腕と脚を曲げ伸ばす運動」を解剖学と運動学の視点から分析し、うまくできない時の軽減方法やなりたいスタイルや目的に合わせたアレンジも提案します。
【ラジオ体操】3分で全身筋トレできる最強エクササイズ!
みんなやったことがあるけれど正しくできるいる人が意外に少ない「ラジオ体操」ですが、実はたった3分で全身をバランスよく整える美容健康効果に優れた最強エクササイズです。
【ラジオ体操第二】「老若男女を問わず誰でもできることにポイントを置いたラジオ体操第一」よりも運動負荷が大きく、体を鍛えて筋力を強化することをポイントにおいています。
面白いのが、同じ名前の体操でも【ラジオ体操第一】と【ラジオ体操第二】で動きや注目ポイントが異なるので、第一と第二を組み合わせると、更なる美容健康効果が期待できます。
みんなやったことがあるけれど正しくできるいる人が意外に少ない「ラジオ体操」ですが、実はたった3分で全身をバランスよく整える美容健康効果に優れた最強エクササイズです。
「ダイエットやボディメイクをしたいけれど何から始めたらよいかわからない」「運動を始めたいけど難しいのは続かない」なら、まず「ラジオ体操」を極めてみることをオススメします!
【②腕と脚を曲げ伸ばす運動】ラジオ体操の正しいやり方と解剖学
「【ラジオ体操第二】②腕と脚を曲げ伸ばす運動」は、「躍動的な動きで全身の血行を促す」目的で作られた腕と脚を協調して動かすエクササイズで、以下のような効果を得ることを目的としていると公式サイトでは記載されています。
公式サイトより引用
- 血行促進
- 筋力アップ
- リズム感アップ
重要な運動要素
「【ラジオ体操第二】②腕と脚を曲げ伸ばす運動」は、腕と脚を大きく協調的に動かすエクササイズなので、ストレッチ効果(動的柔軟性向上)に加えて、自分の身体の動きを意識する能力(深部感覚)強化したり、リズムに合わせて身体を協調的に使うための神経機能強化効果もあります。
重要な運動 | 目的 |
---|---|
四肢関節を大きく動かす | ストレッチ効果 (動的柔軟性向上) |
リズムに合わせて協調運動を行う | 脳神経経路強化 深部感覚機能強化 |
複数の運動能力に関わる神経経路を鍛えることで、「姿勢やパフォーマンスの改善」や「転倒予防」につながりますし、全身の循環を高める「血行促進効果」もあります。
準備姿勢(スタートポジション)
「【ラジオ体操第二】②腕と脚を曲げ伸ばす運動」の準備姿勢(スタートポジション)は、「【ラジオ体操第一】①伸びの運動」と同じ背骨と骨盤をニュートラルした良い姿勢を基準に、腕を胸の前でクロス(水平内転)した状態です。
運動方向と可動域
「【ラジオ体操第二】②腕と脚を曲げ伸ばす運動」は、公式サイト記載のやり方ではとてもシンプルに以下の3つの要素を4回繰り返すとなっていますが、解剖学的に分解するとかなり多くの要素が組み込まれていることがわかります。
公式サイトより引用
- 基本姿勢(腕を交差した状態)
- 腕を横から振り上げてかかとを上げる
- 腕と脚の曲げ伸ばしを弾むように2回行い
- 腕を横から振り下ろす
運動要素は「腕の運動と連動したかかとの上げ下ろし(足関節運動)」「つま先立ちでの腕(肩関節・肘関節)と脚(股関節・膝関節・足関節)の協調運動」に大きく分解できます。
パーツ | 運動方向 |
---|---|
姿勢軸 | 上方向へ軸を伸ばし、ニュートラルを維持 |
股関節 | 屈曲⇄伸展 (外旋⇄内旋) (外転⇄内転) |
膝関節 | 屈曲⇄伸展 |
足関節 | 底屈⇄背屈 |
肩関節 | 水平内転 伸展 外転 伸展+外転 屈曲+内転 |
肘関節 | 屈曲⇄伸展 |
安定した下半身を維持したまま、伸ばした軸がぶれたり曲がったりせずに正しい運動方向に動かせるかどうかで効果に差が出てきます。
「ラジオ体操効果を高めるコツ」と「よくある間違い(対処法)」
「【ラジオ体操第二】②腕と脚を曲げ伸ばす運動」は、【ラジオ体操第二】の中で一番動きが複雑(同時に動かす要素が多い)な運動メニューなので、ラジオ体操の中でも間違った独自の運動になりがちです。
脚の曲げ伸ばしは、かかとを上げたまま行いましょう
公式サイトより引用
公式サイトのコツでも記載されているように、「つま先立ちで立位バランスを保つ立位バランス能力と筋力、脚と手を協調的に動かせる運動能力」が特に重要なポイントになります。
運動要素 | 効果を高めるコツ |
---|---|
かかとをあげたままの四肢運動 (つま先立ちでバランスを取りながら関節運動をする) | 姿勢軸をまず安定させる |
四肢の協調運動 | それぞれの要素に分解して運動方向を意識する |
「【ラジオ体操第二】②腕と脚を曲げ伸ばす運動」でポイントになるのは、つま先立ちで体幹(身体の軸)を安定させたまま腕の関節運動(肩関節と肘関節)と脚の関節運動(股関節、膝関節、足関節)を、正しい方向に、かつ協調的にできているかどうかにしっかりと意識を向けましょう。
つま先立ちより姿勢軸を優先
つま先立ちでも体幹はブレずに安定させたまま維持した状態で四肢の運動を行うことで、姿勢保持筋や下半身の筋力強化やバランス能力強化ができる運動ですが、つま先立ちになると支える面が小さくなることで重心が前へ移動しやすくなるため、姿勢保持が難しくなります。
そのため、腕や脚を動かす前に、つま先立ちでもブレない良い姿勢が取れているかどうかにまず意識を向けましょう。
つま先立ちがそもそもできない、つま先立ちで腕や脚をうごかそうとするとバランスがとれなくなる場合は、足裏はしっかり床につけたまま腕と脚の曲げ伸ばしに集中するか、まずつま先立ちができる筋力や柔軟性、バランス能力を鍛えてから挑戦しましょう。
また、公式サイトの正しいやり方の動画や図解ではかかとは左右揃えたままつま先を外に45度程度開いていますが、このポジションだとより高いバランス能力が必要になります。
足を揃えたり、つま先を外に向けようとすると立位がグラグラしたり、骨盤が傾いて背筋が真っ直ぐにならない場合も、骨盤と背骨のニュートラルを最優先にして、足のつま先位置は真っ直ぐに揃えたり、脚幅を少し開いて軽減した姿勢で行いましょう。
自分の身体の軸がわかって体幹の筋力がついてくると、足を揃えたきれいな立位が自然ととれるようになってきますし、つま先を外に開いた公式の姿勢にも自然と挑戦できるようになります。
つま先立ちでもブレない軸と強い体幹を作れていれば、バランス保持のために余計な力が入らないので、腕と脚の運動が軽やかに、リズミカルに行えます。
上方向へ伸びる時は、腕に引かれるように体幹軸も上へ伸ばすようにすると更に姿勢改善効果(姿勢維持のための筋力増強効果)を高められます。
腕と脚の協調運動
腕を曲げ伸ばす時には、脇を締めて肩甲骨の動き(体幹とのつながり)も意識するとより効果的です。
腕を動かすとバランスが取れなくなってしまう場合には、無理に腕を大きく動かそうとせず、開始姿勢(肩関節水平内転)か腕を横に開いた状態(肩関節外転90度)のまま、まずは自分の軸を意識してバランスがとれるようになることを優先しましょう。
バランスが取れない状態のまま無理に腕を動かそうとすると、肩に余計な力が入ったり猫背や腰を丸めた不良姿勢になってしまい逆効果です。
また、腕と脚を同時に動かそうとすると混乱してしまう場合は、脚のみ、腕のみに分けるなど要素を減らして練習しましょう。