「笑う」ことの「美顔エクササイズ効果」「腹式呼吸効果」「免疫力向上効果」「認知症予防効果」も期待できる笑い(笑顔)の効果と日常に笑いを取り入れる方法について医学の観点からわかりやすく説明しています。
最近「笑って」ますか?
人は楽しい時、嬉しい時、面白い時などに、笑ったり、笑顔になったりしますが、「笑う」「笑顔になる」ことは、医学的にみるとたくさんの健康効果や美容効果があることがわかっていて、現在も様々な角度から研究が進んでいます。
「笑う」「笑顔になる」ことの効果についてまとめてみました。
「笑う」だけ!美容健康効果
「笑う」「笑顔になる」ことの効果は、大きく以下の5つが挙げられます。
- 表情筋エクササイズ効果(美顔効果)
- 腹式呼吸効果(コア強化)
- 自律神経調整効果(リラックス効果・ストレス解消効果)
- 免疫力向上効果(NK細胞活性化)
- 認知症予防効果(人生を豊かにする効果)
ひとつづつ詳しくみていきましょう。
「表情筋」エクササイズ効果(美顔効果)
口角の上がった魅力的な「笑顔」や周りを巻き込むほどの素敵な笑った顔を作るのは、「表情筋」と呼ばれる顔まわりの筋肉の作用です。
「表情筋」も自分の意思で動かせる「骨格筋」で、「笑筋」や「頬骨筋」など口角や上唇を引き上げ、笑顔を作るための筋肉も複数あります。
「表情筋」も肩、首、腰の筋肉と同様に、難しい顔や頑張ってばかりいると、表情筋がコリ固まり、老け顔や疲れ顔の原因になってしまいます。
表情筋エクササイズやマッサージ、美容ローラーなどはハードルが高いという人も、「笑顔」や「笑うこと」なら、ゼロ円で今すぐできますので、自分の顔に自信が持てなくなった時こそ、「笑う」「笑顔」になる時間を作りましょう。
「笑顔」を作る表情筋の解剖学や生理学を理解していると、より意識が向きやすくなるので効果を高められます。
腹式呼吸効果(コア強化)
「腹式呼吸」は、「体幹(コア・インナーユニット)」をバランスよく強化できる体幹エクササイズでもあります。
ヨガ、リハビリ、声楽、スポーツなどでも腹式呼吸は重要なトレーニングの一部として取り入れられているので、その効果に疑問を持つ人は少ないと思います。
毎日の生活で決して止めることのできない(止めたら死んじゃいます!)呼吸を意識できるようになれば、ダイエット効果やウエストシェイプ効果、ストレス解消効果が高いこともよく知られるようになってきました。
...とはいえ、意識しなくてもなんとなくできてしまい、生活習慣でクセも定着しやすい「呼吸」を意識する習慣をつけるまでは大変です。
でも、「大声を出して大笑い」している時って、自然と「腹式呼吸」になっているんです。
大声で笑うと「お腹痛く」なったり、「すごく気持ち良い疲れ」があったり、「気持ちがすごくスッキリ」したりした経験はないでしょうか?
これは、声を出して笑うことで、普段意識して使うことが難しい「横隔膜」や「腹横筋」などコア(体幹)を最深層を支えるインナーユニットを鍛える筋トレになっているからなんです。
大好きなお笑いを見たりして、大笑いするだけで、姿勢や運動のコアとなる筋肉群を専門的な知識がなくてもトレーニングできるなんてすごいですよね。
もちろん、解剖学や生理学を理解していると、より意識が向きやすくなるので効果を高められるのは言うまでもありませんが.....
自律神経調整効果(リラックス効果・ストレス解消効果)
「笑う」「笑顔になる」ことで、自律神経調整においてリラックスしたり睡眠の時に活発になる「副交感神経」が優位になることが様々な研究で報告されています。
「自律神経」とは、人間の生命維持やや種族保存に関するあらゆる整体機能を無意識下で調整する機能で、「副交感神経」と「交感神経」の拮抗により、臓器や血管などの全ての平滑筋、心筋、腺の活動を調整してます。
興奮したり、怒りが収まらない時、何かに集中して取り組んでいる時は、拮抗する「交感神経」が優位になっていますし、24時間刺激が多い現代では「交感神経」が優位のまま夜を迎えてしまい、眠りの質が低くなっている人も増えてきています。
そんな時は、「笑う」「笑顔になる」時間を意識的に作ることで、「副交感神経」を優位にすることで、リラックスやストレス解消効果に加えて、睡眠の質を高める効果も期待できます。
免疫力向上効果(NK細胞活性化)
これもよく言われていることですが、「笑う」ことで免疫細胞のひとつである「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」が活性化することがわかっています。
「コロナウイルス感染症2019(COVID-19)」の世界的なパンデミックから「免疫力」に興味を持つ人が大きく増えましたが、楽しく笑うだけで「免疫力」が強化でき、なんの副作用もデメリットがないのなら、笑わない理由はありませんよね。
認知症予防効果(人生を豊かにする効果)
「よく笑う人」は「認知症になりにくい」と言われますが、これは、経験値の上でも、医学生理学観点でも異論がしにくい説です。
「認知症」には様々な種類や原因がありますが、大きくは、一度正常に発達した脳機能を失ったことによる「認知機能障害」と定義できます。
人間は社会性の生き物で、認知機能は社会機能を円滑に行うための機能ですし、脳はいくつになっても学習し、多様な機能を発達させる可能性も持っていますので、自然と周りに人が集まる「よく笑う人」は、認知機能が低下しにくいからです。
もちろん、笑うことで、先に説明したような様々な生理学的なよい効果を日常的に享受できるので、心身ともに健康であることも、社会性(認知機能)を高める(認知症を予防する)効果に影響しています。
「笑う」を生活に組み込もう!
特別や知識や努力も必要なく、時間もお金もかからない「笑う」ことは、是非生活習慣に今すぐ取り込んで、健康で豊かな人生をデザインしていきましょう!
笑顔を作って脳を騙してみよう!
本当に面白くて笑っている時や嬉しくて微笑んでいる時に起こる身体の変化を生理学で捉えれば、以下のように無理やり笑顔や笑っている状況を作ってもその効果は同じです。
- 鏡を見て口角を上げて笑っている表情を意図的に作る
- 大声を出して笑う演技をしてみる
- 楽しくないけど笑ったふりをしてみる
ものまねニューロンとも呼ばれる「ミラーニューロン」によって脳は騙せます。
本当に楽しくて、嬉しくて笑顔になったり、笑ったりしているのではなくても、笑ったり笑顔になるための身体の機能を使うことで、「脳」は「楽しい」「嬉しい」という感情と結びつてくれるので、笑うことの精神的効果である「ストレス解消効果」「リラックス効果」「NK細胞活性化による免疫力強化」が期待できます。
「よく笑う」人と仲良くなろう!
「笑いは伝染する」とも言われますが、ものまねニューロンとも呼ばれる「ミラーニューロン」の機能は、以下の方法でも活用できます。
笑顔で精神的に安定した人の周りには、良い人が集まりますので、社会性も向上し、「認知症予防効果」も期待できますので、よく笑う人のいる集まりにでかけたり、積極的によく笑う友達を作るのも有効です。
また、Youtubeなどでお笑い動画をみたり、微笑ましい赤ちゃんやペットの動画を見る習慣を作ってもいいかもしれません。
「笑いセラピー」「アニマルセラピー」「子供との触れ合いによるセラピー」などは医療や福祉の現場で広く取り入れられている療法でもあります。
よく笑うようになれば、心身ともに健康になり、社会性も自然と向上していくので、人生の充実度も向上していく可能性が高くなります。
心と身体はつながっている
人生100年自体を健康に、そして、より若々しく生きるために、健康寿命を延ばすための美容健康法が注目されるようになってきた時代の流れはとてもよい変化だと思います。
ただ、「人間本来の機能を活かす」視点が欠けた、一時的な特効薬を求めるような方法では、長い目で見た時に確実に身体を蝕み、逆効果になってしまうことは忘れないでください。
世の中に溢れる様々の情報に惑わされたり、何が良い方法かわからなくなった時は、このサイトに戻って、自分の身体に向き合う時間をとってみてください。
あなたの身体と心はちゃんとあなたが求めるものを知っています。
そして、もちろん、姿勢を整え、生活習慣を整え、睡眠をしっかりとるなど、身体全体の機能を高める努力も大切です。