正しいラジオ体操

【ラジオ体操第1の正しいやり方】⑨体を斜め下に曲げ胸を反らす運動【イラスト図解説付き!】筋肉解剖学

たった3分!誰でもできる最強エクササイズ「【ラジオ体操第一】⑨体を斜め下に曲げ胸を反らす運動」を解剖学と運動学の視点から分析し、「うまくできない時の軽減方法」「効果を高めるためのコツ」「上級者向けアレンジ」などを提案します。

【ラジオ体操】は3分で終わる最強エクササイズ!

「なにか運動しないと!」と思ったらまず選択肢に入れて欲しいのが【ラジオ体操第1】!

わかりやすいシンプルな体操の組み合わせで老若男女誰でもできるように作られている体操なので軽い運動効果しかないと思っている人も多いのですが、【ラジオ体操】を正しく理解して丁寧に実践すれば、たった3分でも全身をバランスよく整える美容健康効果に優れた最強エクササイズになります。

「ダイエットやボディメイクをしたいけれど何から始めたらよいかわからない」「運動を始めたいけど難しいのは続かない」など身体の悩みがあるけれどどんな運動がいいかわからない場合は、まず「ラジオ体操」を極めてみることをオススメします!

ラジオ体操まとめ記事はこちら!

【⑨体を斜め下に曲げ胸を反らす運動】ラジオ体操の正しいやり方と解剖学

ラジオ体操第一の9番目やるエクササイズは、【体を斜め下に曲げ胸を反らす運動】です。

「背中〜脚の裏側を伸ばす」「呼吸器官の働きを促進」ことが目的で、公式サイトには以下のような効果があると記載されています。

  • 正しい姿勢づくり
  • 呼吸機能アップ

【公式サイトより引用】

重要な運動要素

終盤に向かう「【ラジオ体操第一】⑨体を斜め下に曲げ胸を反らす運動」は、これまでに登場している要素をいくつか組み合わせてありますが、特にポイントになるのは、斜め下に曲げる動作:「背骨回旋と股関節運動の組み合わせ」です。

重要な運動 目的
背骨の回旋 + 股関節運動 姿勢改善
バランス強化
柔軟性強化
胸を反らす 呼吸を深める
循環機能強化

「身体のねじり(背骨回旋)」を加えながら「股関節屈伸」して背骨まわりのインナーマッスルを含めた背面全体を前後方向だけでなく斜め方向も含めてストレッチしているので、姿勢を維持する筋肉の緊張バランスを広範囲に深層まで整える効果に優れています。

更に、胸(胸椎)を反らして呼吸を深める動作も加えることで、全身循環も改善して身体が軽く動きやすくなるのを実感できます。

基本姿勢(スタートポジション)

「【ラジオ体操第一】⑨体を斜め下に曲げ胸を反らす運動」の準備姿勢(スタートポジション)は、最初の基本姿勢である「【ラジオ体操第一】①伸びの運動」で整えた背骨と骨盤をニュートラルした良い姿勢で、脚を肩幅より広めに開き(股関節外転)ます。

複数の関節運動により姿勢軸も移動するため、接地面を安定させたまま姿勢を保持できるように姿勢軸を改めて意識しましょう。

一番基本の姿勢から確認!

運動方向と可動域

「【ラジオ体操第一】⑨体を斜め下に曲げ胸を反らす運動」では、公式サイトのやり方では以下のように記載されています。

胸を反らせる時は、肘を伸ばし、大きく息を吸います

  • 左脚を横に開き、上体を左下に2回曲げる
  • 上体を起こし、大きく息を吸って胸を開く
  • 反対側も同様に

【公式サイトより引用】

「【ラジオ体操第一】⑨体を斜め下に曲げ胸を反らす運動」の運動要素には「股関節屈伸運動と背骨の回旋運動の組み合わせ」と「胸を開いて(胸椎を伸展して肩甲骨を動かす)深い呼吸をする(腹腔と胸郭)運動」があります。

これまでの運動メニューでもでてきた「股関節の屈伸(「⑥身体を前後に曲げる運動」)」「背骨の回旋(ねじり)(「⑦体をねじる運動」)」「胸椎伸展運動(「④胸を反らす運動」)」要素の組み合わせなので、これまでの体操の効果を実感しながら運動方向により丁寧に意識を向けます。

パーツ 運動方向
背骨 回旋
胸椎中心に伸展
股関節 外転
屈曲⇄伸展
腹腔+胸郭(呼吸) 拡大⇄縮小

「ラジオ体操効果を高めるコツ」と「よくある間違いの対処法」

「【ラジオ体操第一】⑨体を斜め下に曲げ胸を反らす運動」は、要素となる解剖学構造や運動学、それぞれの相乗効果を意識することで効果を最大限高められます。

運動要素 効果を高めるコツ
呼吸 前屈時に息を完全に吐き切り、胸を開いて大きく吸う
背骨(胸を開く時) 腰は反らずに胸を開く
背骨(前屈⇄伸展) 背中を丸めない
骨盤 安定させる

また、お手本通りの姿勢を作ろうとするよりも、その姿勢や動作をする目的を優先し、必要に応じて姿勢や運動方向の調整や軽減をしましょう。

呼吸(息を吐くタイミング)

上体を前に曲げる時に息を吐きながら行って完全に息を吐ききるようにすると、身体を起こして胸を開くときに大きく深く息を吸えるので、呼吸機能と全身循環アップにより効果が期待できます。

呼吸は意識して行うとインナーマッスルを鍛えて、それだけでも姿勢改善や代謝を高めてダイエット効果がある運動メニューですが、猫背姿勢になりがちな現代人は浅い呼吸が慢性化して、意識して呼吸をすること方法を忘れてしまっている人がたくさんいます。

胸を反らせて深い呼吸を行うこの運動メニューでは、自分の呼吸に意識を向けるとてもよい練習になりますので、以下の記事も参考に自分の呼吸に意識を向けながら、胸郭と腹腔を最大限使って深い呼吸を楽しみましょう。

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腰は反らずに胸を開く

この体操では胸を反らす(胸椎を反らす)ことで呼吸を深める要素がありますが、猫背や不良姿勢が定着している現代人は、胸椎の動きが硬い人が多く動かし方がわからなくなってしまっている人がたくさんいます。

肩周りや胸椎の動きに作用する肩甲骨や胸郭周りの筋肉は、猫背やパソコンやスマホの長時間使用で硬くなりやすいため、解剖学構造上も反りやすい腰や首を過剰に反ってしまって腰痛や肩こり(首こり)を増強する逆効果になってしまうことがよくあります。

胸椎は解剖学上もともと大きく反らすことはできませんので、背骨を反らすことに意識を向けるのではなく、胸椎と肩甲骨周りの柔軟性を高めて胸郭全体を動かして胸を反らし、呼吸を深めることに意識を向けましょう。

胸椎や肩甲骨周りの筋肉をしっかりとほぐして、身体を反らすというよりも、「腕を広げて胸を開いて息を大きく吸う」ことを意識しましょう。

首や腰は胸椎に連動してわずかに動きますが、意識して動かすのは胸椎(胸郭と肩甲骨含)のみです。

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骨盤は傾かない

身体を斜め下に曲げたり上体を起こす時の運動は「股関節」の屈伸運動です。

特に斜めに曲げる時は骨盤を傾ける代償動作が出てしまいがちですが、骨盤の左右対称を保ったまま、背骨を回旋させることで斜め方向を向いた上半身で股関節屈曲(前屈)させます。

背中を丸めない

ハムストリングスなど背面の筋肉が硬かったり、肩甲骨や肩関節の動きに制限があると、前屈しようとした時に背中を丸めがちですが、股関節屈曲は背骨を湾曲を変化させる運動要素は含まれません。

特に、前屈位から直立位に戻る時に背中を丸めるロールアップを行うと腰を痛めてしまいますので、背筋や腹筋など姿勢保持筋をしっかり収縮させて背骨を保護しながら行いましょう。

背面や肩関節の柔軟性を高めるストレッチやマッサージを併用して、背中が丸くなることがないように意識しながら股関節可動域を広げていきましょう。

筋膜のつながりを意識する

身体を前屈することで、背面筋肉のつながり(筋膜のつながり)に沿ったストレッチ効果が期待できますし、背骨の回旋を加えているので、クロスシステム(斜め方向)へもアプローチできます。

解剖学構造ごとのk脳連携を意識することで、より効果を高められます。

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