【寛骨(腸骨・坐骨・恥骨)】と【骨盤(寛骨・仙骨・尾骨)】骨構造がイラスト図解でわかりやすい骨解剖学

骨(ほね)解剖学
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「骨盤矯正」「骨盤チェック」「骨盤の歪み」「骨盤底筋群」など姿勢矯正(整体など)場面や、ヨガポーズ、スポーツや運動メニューのやり方説明をする時なども含めて【骨盤】という言葉をよく聞きますが、そもそも【骨盤】とはどんな骨構造か正しくイメージできていますか?

【骨盤】は左右の【寛骨(腸骨・恥骨・坐骨が癒合した骨)】と背骨(脊柱)の一部である【仙骨と尾骨】が結合した骨構造で、上半身と下半身をつなぐように下腹とお尻部分をカバーする大きさと広さがあります。

「寛骨・仙骨・尾骨」で構成される骨盤は、姿勢保持と内臓保護の観点からもとても重要な人体の構成要素です。

【寛骨】を中心に【骨盤】の骨構造をイラスト図解でわかりやすく解説していますので、姿勢改善や骨盤の歪み解消などに役立ててください。

【骨盤】とは?〜骨盤を構成する8つの骨〜

【骨盤】はひとつの骨ではなく、大まかに分類すると左右の【寛骨】と背骨の一部である【仙骨と尾骨(脊柱末端部)】の2つの要素が強固に連結した骨構造のことです。

【寛骨】は「腸骨・恥骨・坐骨」という3つの骨が癒合してできていて、中心にある仙骨・尾骨を挟むように左右対称に2つありますので、細かくみると【骨盤】は全部で8つの骨が結合してできている骨構造になります。

仙骨や尾骨も複数の椎骨が癒合した構造なので、更に細かく見れば構成要素となる骨数は更に増えます。)

まずは以下の図解に示したように体全体の中での大まかなイメージを掴みましょう。

向かって左から骨盤正面・骨盤後面・骨盤側面の図になります。

【骨盤】構造と役割

全体像がイメージできたら、次は【骨盤】の構造と役割を詳しく見ていきましょう。

【骨盤】全体として大きく以下の3つの役割があります。

  • 消化器や生殖器など重要な臓器が納まる空間を作る
  • 上半身と下半身をつないで身体を支える(寛骨を介して背骨大腿骨をつなぐ)
  • 股関節」「仙腸関節」「椎間関節」を構成して運動や姿勢調整に作用する

【骨盤】役割〜内臓の保護

左右の【寛骨】は、左右の手のひらと手のひらを合わせて水をすくう器を作った時のような形で向き合って、広い骨空間を作っています。

【骨盤】は複数の骨が結合した構造ですが、仙骨と腸骨(寛骨)で構成される【仙腸関節】が姿勢調整時に小さく動く以外は、ほぼ完全に癒合していていて骨盤構成骨間での関節運動はありません。

【骨盤】が作るこの空間は、消化器や生殖器など私たちが生きていく上で欠かせない内臓を収めて保護するためにとても重要です。

後ほど詳しく書きますが、【骨盤の歪み】が様々な美容健康上のトラブルの原因になるのは、骨盤が作る空間が不安定になる(小さくなったり、左右非対称になったり、歪になったりする)ことで、空間に収まっている内臓や神経などが正常に働けなくなるからです。

【骨盤】役割〜上半身と下半身の連結

仙骨と尾骨は背骨(脊柱)末端部を構成する骨なので、【骨盤】は背骨(腰椎)と連結して人体を構成する軸となります。

更に、左右の寛骨臼はそれぞれ左右の大腿骨骨頭と凹凸構造で連結しています。

つまり、【骨盤】は、【寛骨】を介して上半身の軸(背骨)と下半身(太ももの骨)をつなげる役割があります。

仙骨と腸骨(寛骨)で構成される【仙腸関節】が、姿勢やバランス、腰痛改善などに重要だと言われるのは、上半身と下半身の両方の情報を受け取って姿勢を調整するためにとても重要な関節だからです。

【骨盤】役割〜関節を作り姿勢や運動をする

【骨盤】を構成する骨が構成要素となる関節には、【股関節】【仙腸関節】【椎間関節】があります。

これらの関節運動に骨盤が関与していることにより、上半身と下半身の連動した滑らかな動きが成立します。

それぞれの骨に付着する筋肉作用と骨構造により、それぞれの関節特有の運動方向や可動域が決まります。

【骨盤】の前後左右の傾きに関しても、これらの関節運動に関与する筋肉の作用によって生じます。

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【寛骨(腸骨・恥骨・坐骨)】解剖学構造

【骨盤】の全体像がつかめたところで、骨盤の関節運動や姿勢保持に関与する筋肉の起始停止および作用を整理しやすくするために、【寛骨】の解剖学構造をもう少し詳しくみていきましょう。

【寛骨】は骨盤から中心の背骨部分(仙骨と尾骨)を除いた部分で、以下のように左右対称の2つの骨です。

上段のイラスト図は向かって左から、「左右寛骨前面図」「左寛骨側面外側」「左右寛骨後面図」です。

下段のイラスト図は向かって左から、「左右寛骨を斜左横から見た図」「左右寛骨内側を上から見た図」です。

【寛骨】として筋肉の起始停止や触診のポイントとなる部位を表にまとめました。

【寛骨】全体として抑えておきたい構造の特徴は、半球状の凹み(寛骨臼)とその下にある孔(閉鎖孔)です。

以下のイラスト図解は、右寛骨の外側面を拡大したものです。

部位名 付着組織など
寛骨臼(大腿骨骨頭が収まる半球状の凹) 月状面(寛骨臼関節面)

寛骨臼周辺:関節唇が付着

寛骨臼上縁:大腿直筋(大腿四頭筋)起始

寛骨臼窩(月状面に囲まれた部分)
寛骨臼切痕(関節面の欠けている部分)
閉鎖孔(寛骨臼下にある恥骨と坐骨で囲まれた孔で、大部分は閉鎖膜で閉ざされている)

閉鎖神経や閉鎖動脈静脈が通る

内閉鎖筋と外閉鎖筋(深層外旋六筋)が周囲を覆うように付着

 

また、【寛骨】は、「腸骨」「坐骨」「恥骨」が癒合した骨だということを説明しました。

上方の扇のような形の部分が「腸骨」、下前方が「恥骨」、下後方が「坐骨」です。

「腸骨」「坐骨」「恥骨」の癒合は16〜17歳頃に完成しますが、それまでは3つの骨はY字軟骨で結合しています。

続いて、「腸骨」「坐骨」「恥骨」それぞれの解剖学構造の特徴もみていきましょう。

【腸骨】解剖学構造

【腸骨】は寛骨上部を構成する骨で、上部の平たい部分である「腸骨翼」と下部で寛骨臼を構成する「腸骨体」に大きく分けられます。

筋肉の起始停止を理解したり筋肉触診のポイントとなる【腸骨】部位名称と詳細を図解を添えてまとめました。

部位名 場所 付着組織など
腸骨翼 腸骨稜 腸骨翼上縁で、25歳ごろまでは軟骨基質 腸骨稜上縁はL4の高さ(ヤコビー線)
外側面:腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)および広背筋が付着
内側面:脊柱起立筋群腰方形筋腹横筋が付着
上前腸骨棘 腸骨稜前端の突出部分で腹横筋や内腹斜筋などの触診時ポイントになる 鼠径靱帯が付着
縫工筋起始部
大腿筋膜張筋起始部
上後腸骨棘 腸骨稜後端の突出部分 後仙腸靭帯
下前腸骨棘 上前腸骨棘下方の突出部分 大腿直筋(大腿四頭筋)起始部
下後腸骨棘 上後腸骨棘下方の突出部分  
腸骨窩 腸骨翼内側部分(腹腔下縁) 腸骨筋(腸腰筋)
耳状面 腸骨窩後面1/3 仙骨仙腸関節を作る関節面
腸骨粗面 上後腸骨棘と耳状面の間 後仙腸靭帯
殿筋面 腸骨翼外側面 臀筋(大殿筋中殿筋小殿筋)が付着
腸骨体

腸骨下部の肥厚部(寛骨臼の上の2/5)

大腿骨股関節を形成する関節面の一部

【恥骨】解剖学構造

【恥骨】は寛骨前下部を構成する骨で、閉鎖孔の前縁とその周辺を作る「恥骨体」、「恥骨体」と接して寛骨臼を含む恥骨上部である「恥骨上枝」、「恥骨体」と接して坐骨下枝に続く恥骨下部である「恥骨下枝」に大きく分けられます。

【恥骨】は、股関節内転筋筋群腹直筋などの付着部としても聞いたことがあると思いますが、筋肉の起始停止や作用を理解したり、触診のポイントとなる【恥骨】部位の名称と詳細についてイラスト図解を添えてまとめました。

恥骨筋の起始部

部位名 場所 付着組織など
恥骨体(寛骨臼の前下部) 恥骨結節 恥骨体上縁の隆起部 長内転筋(股関節内転筋群)起始
鼡径靱帯
恥骨稜 恥骨結節から恥骨結合面上縁にいたる稜線 腹直筋起始部
恥骨結合面 恥骨結合を形成する楕円形の結合面 左右の恥骨結合面が線維軟骨で結合して恥骨結合となる
恥骨上枝 恥骨櫛 恥骨上枝上縁 長内転筋・恥骨筋(股関節内転筋群)起始
恥骨下枝 恥骨結合の下閉鎖孔の下縁の前半を作る 短内転筋・大内転筋・薄筋(股関節内転筋群)起始部

【坐骨】解剖学構造

【坐骨】は寛骨後下部を構成する骨で、腸骨・恥骨と寛骨臼を形成上部の大きな部分である「坐骨体」と下部の「坐骨枝」に大きく分類できます。

【坐骨】は、名前の通り「座った時(坐位)」に床や椅子に触れる部分を含み、ハムストリング深層外旋六筋などお尻の筋肉の付着部(起始停止)になっていますので、筋肉の走行や作用を理解したり、触診などで重要となる特徴的な部分の名前とその詳細についてまとめました。

部位名 場所 付着組織など
坐骨体 坐骨棘 後内方に向かう突起 上双子筋(深層外旋六筋)起始
仙棘靭帯
大坐骨切痕 下後腸骨棘から坐骨棘に至る切れ込みで腸骨と坐骨にまたがる  
小坐骨切痕 坐骨棘より下方の坐骨結節に至る切れ込み 内閉鎖筋(深層外旋六筋)がカーブする
坐骨結節 座位時に体重がかかる部分 ハムストリング(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜腰筋)起始
仙結節靭帯
小坐骨孔 小坐骨切痕が仙結節靭帯・仙棘靭帯によって閉ざされた空間 中心を梨状筋(深層外旋六筋)が通過し、隙間を神経・動脈・神経が走行する梨状筋上孔と梨状筋下孔に分かれる
坐骨枝 坐骨上枝 寛骨臼の後下方 閉鎖孔後壁
坐骨下枝 坐骨結節から前内方へ 恥骨下枝と癒合

【仙骨と尾骨】解剖学構造

仙骨と尾骨を含む背骨の骨構造は以下の記事でまとめています。

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【骨盤の歪み】とは?

【骨盤】は、付着する筋肉の緊張状態による構成する関節の動きの制限や結合部のずれや開きなどにより、寛骨の位置の左右差、骨盤空間の狭小や拡大など骨盤の正常アライメントが崩れることがあります。

骨盤の正常アライメントが崩れた状態になることを【骨盤が歪んでいる】と一般的には表現されています。

関節面が動くこと自体は問題ではありませんが(動かない方が問題)、なんらかの理由で動きが制限されたまま本来の位置に戻りにくなったり、正常とは違うアライメントの状態が長時間続くと骨盤として作っている臓器が収まる空間に変化が生じて様々な美容健康上の問題や痛みなどの神経症状が生じたり、姿勢が崩れて腰痛や股関節痛、神経痛などの原因になる場合もあります。

骨盤の正しいアライメントや関節の動く方向がわかっていると、普段から意識して骨盤の正常な状態を意識して直すことができるようになります。

【骨盤の傾き】とは?

【骨盤】は以下の3つの関節運動の影響を受けて、傾き方(前傾・後傾・側傾)が変わります。

【骨盤】が傾くこと自体は、様々な活動をする私たちの姿勢を調整する上でとても重要な役割なので、正しい運動方向や可動域を理解しておくことで、普段はもちろん、ヨガなどの運動メニューポーズでも正しく美しい姿勢が作れるようになります。

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【骨盤矯正】効果を出す正しいやり方は?

骨盤のアライメントや関節を動きを正常に保つことは、内臓が本来あるべき場所に収まり、正常な活動ができる空間を維持することなので、健康維持のために非常に重要ですが、「骨盤が歪んでいる=骨盤矯正が必要」と考えるのは危険です。

一般的な整体で提供されている「骨盤矯正」のサービスは、主に硬くなった筋肉を緩めることで、一時的に骨盤のアライメントをニュートラルな状態にしようとする対処的な施術です。

身体の一部が歪んでいたり、一部の筋肉が過剰に緊張するのは、そうすることで身体が全体としてバランスを取ろうとしているサインで、本当の問題点が歪みやコリを自覚している場所にあるとは限りません。

コリをほぐして緩めるだけでは中心軸が保持できなくなって症状や姿勢が悪化する可能性もあるので、正しいアライメントを維持するために必要な筋肉を正しい方法で鍛えることと並行して行う必要があります。

骨盤が歪んだ根本的な原因を正しく分析し、背骨を含めた全身の姿勢と状態をきちんと評価することから問題解決方法を探しましょう。

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